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知的財産入門編
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知的財産権の一般的な違い
特許権と著作権
 
例えば、研究論文の中に発明に関する記述があった場合を考えてみますと、その研究論文は、特許権著作権によって保護される可能性があります。両権利の比較は下表のとおりですが、大きな違いは、著作権で保護される対象はあくまでも「表現」であって、アイデア(発明)に及ばないのがその特徴なのです。したがって、その論文の表現ではなくて、アイデアをまねて論文を書いた場合には、著作権の問題ではないということです。アイデア(発明)については、特許権で保護するしかないのです(アイデアを秘密にすることによって保護することは可能ですが、研究論文は公表することを予定するので、この場合は、特許権でということになるでしょう)。
また、大きく異なるのが、特許権は、特許庁に出願し登録される必要がありますが、著作権は何らの手続、登録を要しないで権利が発生するのです(論文を書くことにより権利が発生します)。
 
特許権・著作権の比較
法律名 保護対象 方式の要否 登録の要否 権利の効力 保護期間
特許権 発明
(アイデア)
必要 必要 絶対的独占権 原則として
出願から20年
著作権 表現 不要 不要
(登録する
ことは可能)
相対的独占権
(依拠性が必要)
原則として
著作者の
死後50年
 
さらに、権利の効力のところの「絶対的独占権」「相対的独占権」という言葉は少し説明が必要だと思いますが、著作権の場合は、全く研究論文であったとしても、他の著作物をまねしないで独立に作成されたものであれば、それぞれ著作物として保護されることになります。逆に特許権の場合には、独立して発明されたものであっても、先に出願したものに特許権が付与されることになるのです。したがって、著作権においてはまねをしているということ、すなわち他人の著作物に「依拠」している場合のみ著作権侵害の問題が生じるということで、相対的独占権であるといわれています。
このように、知的財産権は、それぞれ保護の範囲や効力について様々な違いがあり、対応可能な領域が異なります。研究者の方が全てを正確に理解することは難しいと思いますが、さまざまな権利、方法を駆使する必要があるということだけは頭の隅に置いて、専門家の知恵を借りるという対応が必要だと思います。
 
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