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知的財産入門編
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新規性はどのようにして失われるのか
公知された発明


特許出願前に日本又は外国において公然知られた発明
 
 まず「特許出願前」となっていますが、これは出願の日ではなく、出願の時であるとされています。日本又は外国となっていますので、外国で公知になっても新規性が喪失されることになります。
公然知られた発明とは、不特定の者に秘密でないものとしてその内容が知られた発明をいいます。
公然」とは、秘密を脱した状態をいいますが、知っている人の多少の問題でなく、守秘義務の有無で判断されますので、たとえ多数の人が知っていたとしても、多数人全員が守秘義務を負っている場合には、「公然」には該当しません。
 守秘義務については、守秘義務契約が締結されているような場合が典型ですが、必ずしも契約書が交わされているような場合に限定されるわけではなく、その立場から当然に(暗黙裏に)守秘義務があるという関係がある場合にも認められることになります。
他方、守秘義務が事後的に効力を失った場合、効力を失った時点で公知になると考えられていますから、守秘義務契約の有効期間の設定についても注意が必要です。
 また、「知られた」となっていますが、知られ得る状態にあった場合にも公知になるのかについては争いがあり判例も分かれていますので、対応としては発明を知られうる状態に置かないという配慮が必要です。守秘義務を負っていない人に研究室を見学させるような場合は注意が必要になるということです。ことにはデメリットもあります。
 
公知とは
公知になる場合 大学の研究者が授業において受講生に対して発明を教材として講義した場合、受講生は守秘義務を負う者でなく「不特定の者」ですから、公知になります。
公知でない場合 発明が記載された原稿を学会誌などに投稿する場合、一般に、原稿が受付けられても不特定の者に知られる状態に置かれるものではありませんから、その原稿に記載された発明の内容が公表されるまでは、公知になるわけではありません。
 
守秘義務違反により公知された場合
守秘義務を負っている者がその義務に違反して守秘義務のない第三者に発明を漏らした場合、発明は公知になります。このような場合、漏らした者は、守秘義務違反になり、発明者は債務不履行責任を追及できるとともに(損害賠償等)、意に反して新規性を喪失した場合として救済を受けることができます(特許法30条2項)ので、このような自体が生じたときには、6ヶ月以内に出願する必要がでてきます(ただし、自ら新規性を喪失したわけではないので、いつ喪失したのかを把握するのは現実的には難しいかもしれません)。
 
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